konoyo
リンク


  • RSS Feed
    お気に入りに追加


猪熊のばばに別れた太郎は
 猪熊のばばに別れた太郎は、時々扇で風を入れながら、日陰も選ばず、朱雀の大路を北へ、進まない歩みをはこんだ。――
 日中の往来は、人通りもきわめて少ない。栗毛の馬に平文の鞍を置いてまたがった武士が一人、鎧櫃を荷なった調度掛けを従えながら、綾藺笠に日をよけて、悠々と通ったあとには、ただ、せわしない燕が、白い腹をひらめかせて、時々、往来の砂をかすめるばかり、板葺、檜皮葺の屋根の向こうに、むらがっているひでり雲も、さっきから、凝然と、金銀銅鉄を熔かしたまま、小ゆるぎをするけしきはない。まして、両側に建て続いた家々は、いずれもしんと静まり返って、その板蔀や蒲簾の後ろでは、町じゅうの人がことごとく、死に絶えてしまったかとさえ疑われる。――

楽天カード | ザ・クレジットカード tr7743のクレカネタ » ビューカードの国内旅行保険は「単なる切符」でも対象内
twitter
Hatena
Google Buzz
newsing
Yahoo!
Buzzurl
Technorati
del.icio.us
Choix
Iza!
Livedoor Clip
Facebook
Evernote