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それにしても
「それにしても、おまえさんの家にまで仕返しに来ることはあるめえ。金蔵は行き合い捕りになっているのだから、お前さんの家に係り合いはねえ筈だ」「わたくしの家へは来ないかもしれませんが、もしや三甚さんの方へでも来るようなことがあると大変だと申して、娘は泣いて騒いで居りますので……」 娘に泣いて騒がれて、お力は三甚の保護を頼みに来たのである。その親心を察しながらも、半七はいったん断わった。「これが堅気の素人なら、なんとか相談に乗ることもあるが、たとい年は若いにしろ、三甚も一人前の御用聞きだ。科人《とがにん》の仕返しが怖くって、仲間の知恵を借りたなぞと云われちゃあ、世間に対して顔向けが出来ねえ。勿論おまえさんの一料簡で出て来たのだろうが、そんな事をするのは三甚の男を潰すようなものだ。娘の可愛い男に恥を掻かせちゃあいけねえ。第一、三甚にも相当の子分がある筈だ。その子分たちが楯になって、親分のからだを庇《かば》ってやるがいいじゃあねえか。他人《ひと》に頼むことがあるものか」

早慶個別スクール -小学生・中学生・高校生- じゅくこーぷ?広島県学習塾協同組合?
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