「あっ、困った。敵機がすぐそばまでやってきたそうです。いよいよ死ぬか生きるかの戦闘をはじめます。報告はあとからにいたします。ちょっと無電をきります」「よし、しっかりやれ。わしは懸賞を出そう。飛行機を一機おとせば、二千円やる。軍艦なら一隻につき一万円だ」 その返事は、ありませんでした。副司令は、日本軍と戦闘をはじめたのでしょう。どうなるのでしょうか。戦に勝つか負けるか、怪塔王は気が気でありません。「ちょっと至急、おいでをねがいます」 とつぜん耳もとで、ルパシカ男の声がしました。「なんだ。モーターをこわした悪者をひっとらえたか」「いや、そうではございません。あのう、縛っておきました小浜兵曹長がおりません」「なんだ、あの日本軍人がいないのか」「それからもう一つ、驚くべきことがございます」