konoyo
リンク


  • RSS Feed
    お気に入りに追加


役人たちに会釈して
 役人たちに会釈して、半七は雪達磨の融けたあとを尋ねて行った。そこらには雪どけの泥水と、さんざんに踏みあらした下駄の痕とが残っているばかりで、近所の子供や往来の人達がそれを遠巻きにして何かひそひそとささやき合っていた。その雑沓をかき分けて、半七は足駄を吸いこまれるような泥水のなかへ踏み込んだ。そうして、油断なくその眼を働かせているうちに、彼はまだ幾らか消え残っている雪と泥との間から何物をか発見したらしく、身をかがめてじっと眺めていた。 彼はそれから少時そこらを猟っていたが、ほかにはなんにも新らしい発見もなかったらしく、泥によごれた手先をふところの手拭で拭きながら、もとの自身番へ引っ返してゆくと、与力はもう引き揚げて、当番の同心三浦だけが残っていた。「どうだ、半七。なにか掘り出したか。しっかり頼むぜ。質の悪い旗本か御家人どもの仕業じゃあねえかな」「そうですね」と、半七もかんがえていた。「まあ、どうにかなるかも知れません、どうぞ明日までお待ちください」「あしたまで……」と、真五郎は笑った。「そう安受け合いが出来るかな」「まあ、せいぜい働いてみましょう」「では、くれぐれも頼むぞ」 云い渡して真五郎は帰った。そのあとで、半七は再び死骸の袂を丁寧にあらためた。東大阪市 歯科 歯医者 クリニック 何もしない人ほど批評家になる - スタ☆ブロ -
twitter
Hatena
Google Buzz
newsing
Yahoo!
Buzzurl
Technorati
del.icio.us
Choix
Iza!
Livedoor Clip
Facebook
Evernote