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お医者へなんかもう行かないよ
――ううん。お医者へなんかもう行かないよ。もう何処も悪くないもの。
――だけど、ちょっと行って見ない。散歩の序に。
――………。
 京子は発病当時暫く居た脳病院の記憶が非常に嫌なものであるらしい。でも、加奈子に引きとられてから、加奈子が京子を絶対に病院に入れることはしないと信じて居る。で、時々、加奈子が連れて行く病院へ、診察だけに行くには行った。ただ、いつも気が進まない様子をまざまざ見せる。
 京子は、病気の好くない時はいつも喰べものを喰べない癖がある。この三四日また京子の喰べない日が続いた。
――今日は喰べるのよ。ね、お京さん。オムレツとトーストパン、ね、バナナも焼いて上げるわ。喰べるのよ。
――いや。
 京子は解けかかる寝巻帯をかぼそい指で締め直しながら首を振った。
――何故、じゃ、お豆腐のおみおつけに、青海苔。
――いや。だって喰べると、またもっと星が眼に出るもの。
――まだ、あんな事言ってる。

アンティークメダイ・クロス・ロザリオ・ホーリーカードほか聖品専門店 潜在意識は否定語を理解できない
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