「さあ、お待ち遠さまでした」と秀蓮尼は座を立って「では、いよいよ貴方を逃がす工夫に取り懸りましょう。だがくれぐれも申して置きますが、これからあたしがどんなことを貴方さまにいたしましょうともまたどんなことをお感じになっても、最初のお約束どおり、何もあたしの言葉に随い、この黄風島から対岸の懐しい内地、君島へ脱走して下さるでしょうね。それが誓っていただけるでしょうね」「仕方がありません。前に云ったとおり、僕は庵主さんの命令に、絶対に服従します」「結構です。――では、仕度にかかりましょう」 そういうと、庵主は僕をさしまねいて、隣室の戸棚から、一つの葛籠を下ろすと、これを弥陀の前にまで担がせた。僕が蓋を明けましょうかというと、まあ暫くといって止めた。「これから貴方を変装させるのよ。それですっかり裸になって下さい」 僕は庵主の顔を見たが、諦めて学生服を脱ぎ、それから襯衣を脱ぎ、遂に下帯一つになってしまった。
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