konoyo
リンク


  • RSS Feed
    お気に入りに追加


千生はそれから小半時ほども話して帰ると
 千生はそれから小半時ほども話して帰ると、入れちがいに今戸の中田屋という質屋の亭主金助が来た。金助は晦日まえで、蔵前辺に何かの商売用があって出て来たついでに、延津弥の家へちょっと立寄ったのである。表向きは独り者といっても、延津弥がこうした旦那の世話になっているのは、その当時において珍しいことでもなかった。
 金助は二階の六畳へ通された。きょうは晦日のお手当を持って来たのであるから、延津弥は取分けて愛想よく彼を迎えた。かれはお熊に言い付けてかの牡丹餅を持ち出させた。
「ああ、ここにも牡丹餅があるね。きょうは内でも食わされた。」と、金助は笑った。
「まあ、ここのも一つ食べてください。まさかに毒もはいっていませんから。」
 女にすすめられて、金助はその牡丹餅を一つ食った。延津弥も食った。晦日まえで忙しいというので、金助は長居もせずに帰った。事件はこれから出来したのである。

<a href="http://www.manami-shinbi.com/">差し歯</a> <a href="http://blog.xuite.net/sosharu/blog">blog :: 隨意窩 Xuite日誌</a>

twitter
Hatena
Google Buzz
newsing
Yahoo!
Buzzurl
Technorati
del.icio.us
Choix
Iza!
Livedoor Clip
Facebook
Evernote