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早く働いた方がいい
九月十六日。タケシは深更を過ぎても眠らなかった。時計の針が十二時を過ぎ、十七日に入った。だが、夜に区切りはない。
 ひっそりと寝静まったアパートの中で、タケシ一人が起きていた。
 狭い階段を上り、屋上に出た。
 二週間前、まだまだ夏の名残をとどめていた夜の空気に、秋の気配が入りまじっていた。

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