一災起これば二災起こる
■日本に到着
無邪気な日本語が殿下の唇から洩れた。私は露西亜の双鷲勲章を受けた以上の感激に打たれて、思わず最敬礼をお返ししたのであったが、その瞬間に私は、私の第六感の暗示が一つ残らず鮮かに的中していた事を覚ったのであった。そうして又それと同時に、その第六感の暗示を判断した私の頭が、如何にみじめなあたまと行動であったかを覚らせられて、気が遠くなる程の面目なさを感じさせられつつ恐る恐る机の前に引返したのであった。 ……これを仏蘭西のウラジミル大公に報告されてなるものか……。 と吾れにもあらず赤面しつつ……するとその私を追いかけるように樫尾大尉が進み出て私に一通の手紙を渡した。 それは日本封筒に私の名前だけを書いたもので署名は松平友麿となっている。何事かと思って封を開いて見ると、それは明後日の午後六時から、男爵の私邸で小宴を開くから来てくれという意味の、儀礼をつくした案内状で、最後に出席する人々の名前が書いてある。塾の授業の動画配信サイトは塾の家庭教師で授業の動画配信

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