一災起これば二災起こる
■自分の心の中にあるもの
堂々めぐりしていた思考がふと途断えたとき、一瞬空の色が反転して見えた。空の色は反転したのか。いや、あれは自分が反転させてしまったのではないか。 テレビのプロ野球中継を見ているとき、バッターボックスに立った選手に心の中で「クソ」と不快の舌打ちをくれた。するとその選手が、デッドボールをくらう。 何やら未来の予知もできそうな気がする。
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■駅から外に出たとき
山口で立ち往生したとき、タケシははじめて「まわりから見れば狂っていると思われても仕方ないな」と感じていた。 一九七八(昭和五十三)年六月二十四日、タケシは病院の門をくぐり、二日後に入院した。閉鎖病棟ではあったが、中での行動は自由だった。本を読み、麻雀や花札をし、卓球で体を動かす。
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■理想社会が父性原理
あるいは、理想社会に一歩近づいた実顕地内で、善と悪の代理戦争が行われているのではないか。社会が次のステージに移ろうとするとき不可避に起こる闘争が、実顕地外の社会よりも一歩先を行くこの場所で起こりつつあるのではないか。 タケシは考えた。
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